【ENTRY01】街の店主らとゼロから作った街歩き地図「前原歩帖」

飛び公名

井上憲明さん(福岡県糸島市)

活動名

街の店主らとゼロから作った街歩き地図「前原歩帖」

地図製作メンバーの店主ら三人

活動概要

中心市街地の認知拡大を目的に、3店主と井上氏でチームを結成。街歩き地図『前原歩帖』を2017年10月に製作した。昔と今を対照しながら、息づくスポットを旅人目線で紹介し、挿絵は市内画家に依頼するなど地域性が高い。井上氏は勤務外で市民として活動し、会議や街散策を重ね、制作費も寄附を募り実現。SNSで生きた情報も連載し、「マップで応募!第2回地方創生大賞」で入賞するなど積極的に情報発信を続けている。

街歩き地図「前原歩帖」

きっかけとあゆみ

毎年多くの観光客で賑わいを見せる福岡県糸島市。その糸島市の中心地にありながら、観光による来店と回遊が少ない前原エリア。
JR筑前前原駅から歩いて回れる距離にあり、江戸時代は唐津街道前原宿として栄え、よく見ると魅力的な場所や、個性的な飲食店やカフェ、雑貨屋などが狭い範囲に点在している。
この前原を広く知ってもらい、糸島に遊びに来るついでに前原へ立ち寄ってほしい。
次に行く場所、次に行く店を案内できる道具が欲しい、「街歩きの地図があれば」という想いから、地図を作るべく、前原で営業する古民家食事処、雑貨店、アウトドア用品店の店主らとチームを結成した。
ほぼ毎月、店舗営業が終わってからメンバーで集まり、膝を突き合わせて地図作りを進め、前原の往時の名残と、今息づく活気ある地点を、旅人目線で取り上げることに腐心し、前原の街歩き地図『前原歩帖』(まえばるほちょう)が完成した。
その後、街のイベントでマップの配布を開始。街歩きツアーでの活用や、前原歩帖のアカウント名でSNSを運営。地図に固定した街情報と併せて日常の情報を発信しており、エリア内で旅人に楽しんでもらう実践フェーズに入っている。

イベント「シニング」で配布されるマップ

アピールポイント

1.成果・効果

・2017年10月に地図完成後、3000部、10000部と増刷。観光協会では街案内のツールとして活用されている。
・マップは2018年6月「マップで応募!第2回地方創生大賞」で入賞。全国200点超の街歩き地図の中から同率3位となった。
・街の主な店舗に設置してもらい、来店者が気軽に手に取れるようにしている。

2.チャレンジ性

・商工担当職員でさえ活性化に頭を悩ませる商店街地域に単身飛び込んでいったこと。
・店主らと独自のネットワークで信頼関係を築き、それぞれが思っていた地域課題を共通認識させ、解決のためのチームを結成した。
・活動のスピード感と自由度を上げるため、補助金に頼らず、チームの自主活動とした。
・自主活動でありながら、市職員に寄付を募るなど、他の職員がやったことがないことに取り組んだ。

3.協働性

・地図エリア内の次代を担う若手店主らと一緒に活動している。
・市職員というポジションを使い、繋ぎ役として市役所・商店街地域・観光協会を連携させ、それぞれからマップをPRさせた。
・メンバーの一人が主催する”山を守る発信をする”街ナカイベント「シニング(間伐)」の会場でもマップを配布し、街歩きを促進させた。
・活動にあたって、店主らを街の主人公とするため、本人は徹底的に黒子に徹している。

4.持続性

・これまで三刷発行。そのたびに内容を刷新している。
・地図に加えてSNSで新鮮な街情報を継続発信し、フォロワーを増やしている。
・福岡で週40万部発行されるフリーペーパーのweb版でコラム連載も行っている。
・糸島市のホームページでpdf版データが閲覧できるほか、市が英語版糸島市ガイドブックを作成した際にマップを掲載し、さらに電子ブック化。マップの存在が永続的となっている。