【ENTRY18】歌と踊りによるまちづくり

飛び公名

中村宏規さん(宮崎県木城町)

活動名

歌と踊りによるまちづくり

「福智王総踊り圧巻」新聞記事

活動概要

①百済王伝説によるまちづくり
平成20年に福智王四十八隊というダンスチームを結成。木城町比木神社の祭神である福智王を始めとした百済王伝説を題材に、中村宏規氏作詞作曲のオリジナルソングと踊りで百済王伝説を四方八方に拡げる活動をしています。
②慰霊歌「三百三十八柱」によるまちづくり
歌を通して戦争の記憶を後世に継承するため、戦争で亡くなられた町民338人の霊を慰める歌「三百三十八柱」を制作しました。

「日向百済王伝説 千年王国」公演新聞記事

きっかけとあゆみ

①百済王伝説が残る1市3町(日向市・高鍋町・木城町・美郷町)には、千年の時を超え「師走まつり」「お里まわり」等の神事が脈々と受け継がれています。この伝説に注目し、氏のオリジナル曲と踊りで伝説を広め、まちづくりに取り組んでいます。町内の保育園、小・中学校の運動会では、子供達が福智王を踊ることで故郷の伝説にふれることにより地元を愛する気持ちが育まれています。活動を10年継続し、木城ふるさと祭りの「福智王総踊り」は、祭りの名物イベントになりました。また、初盆を迎えたご家庭を訪問し、演舞を披露し故人を偲ぶ「お里盆まわり」もご家族から大変感謝されています。さらには、高鍋町と美郷町にも氏の作った曲を踊るグループができ、交流の輪を広げています。

②戦争の記憶を風化させることなく平和の尊さを次世代に継承するため、2015年に戦後70周年を記念して慰霊歌「三百三十八柱」を制作しました。この歌は、戦没者慰霊祭において、木城中学生が歌い継ぐことが決まり、毎年、合唱されています。歌詞は4番まであり、その全文を歌碑(黒御影石 幅1m高さ70cm厚さ15cm)に刻み、慰霊祭が開催される忠魂費前に建立されています。

慰霊歌「三百三十八柱」新聞記事

アピールポイント

1.成果・効果

①木城ふるさと祭りの「福智王総踊り」、お里盆まわり、社会福祉施設での演舞の披露といった活動を10年継続しており、百済王伝説の継承とまちづくりに大きな成果を残しています。福智王四十八隊には、若者も多数所属しており、物語の継承と次世代育成に力を注いでいます。伝説が残る美郷町、高鍋町などと活動を通して交流が図られています。
②「三百三十八柱」は、戦没者慰霊祭において木城中学生が毎年、合唱しています。戦争を知らない世代が戦争の悲惨さを次世代に伝えることで、戦争の記憶を風化させず、平和の尊さを受け継いでいくことに大きな効果が出ています。

2.チャレンジ性

県内外の各種イベントに積極的に参加し、平成26年には第11回玉名温泉夢まつりダンスコンテストで、玉名市観光協会会長賞を受賞しました。また、10周年を記念して「日向百済王伝説 千年王国」を公演しました。この公演には、町内商工業から多数の協賛をいただき、収容定数が319人のホールにおいて観客約340人から盛大な拍手をいただき成功することができました。今後は「日向百済 千年王国」のブランド化を目指しています。

3.協働性

①福智王四十八隊は、町内外から学生を含め様々な職種の人達が集まっており、伝説の継承とまちづくりに、隊員全員で協働して取り組んでいます。
②「三百三十八柱」には、戦争の記憶を次代に継承していきたいという強い願いが込められています。木城町遺族会が木城中学校に協力を依頼し、賛同をいただき、中学生による合唱が実現できました。

4.持続性

①ジュニアチームが平成29年に誕生しました。ジュニアチームは、5年後に子ども達が出演する「千年王国」を公演したいという目標を持っており、毎週水曜日にステップなど技術や表現力を磨いています。
②「三百三十八柱」を中学生が歌い継ぐことが決定し、歌詞が歌碑として建立されたことから、合唱と文字化により戦争の記憶が次世代に継承できるようになりました。