【ENTRY21】静岡の自治会組織を第三者視点で支援「里山くらしLABO」

飛び公名

河村将雄さん(静岡県)

活動名

静岡の自治会組織を第三者視点で支援「里山くらしLABO」

全住民アンケート結果報告書制作

活動概要

静岡市内の自治会等の地縁組織が抱える課題を第三者視点で支援。課題の見える化、数値化、全住民の巻き込みを基本とし、「地域住民による空き家活用」「自治会行事の見直し」「中学生以上全住民アンケート」「特産品補助金事業の事業承継」などを受託なしの自費で実施。これらの活動が評価され、共同通信社等による平成30年2月「第8回地域再生大賞特別賞」を受賞。

岡山県浅口市での講演

きっかけとあゆみ

平成11年に静岡県入庁後、技術職として、一貫して農業基盤整備や農村振興に携わり、地域住民との協働事業を実施してきた。一方、3年で異動を繰り返し、地域の方との関係が切れてしまうことを繰り返し、業務として地域と関わることへの限界も感じていた。
平成26年に静岡市主催の講座を受講したことをきっかけに、移住促進を行う地縁団体への支援を開始。しかし、移住促進では人口減少を止めることができないことに気づき、人口が減っても暮らしやすい地域づくりをすすめるため、講座の同期である池田氏と里山くらしLABOを結成した。
里山くらしLABOは、静岡市の中山間地域において、第三者として地縁組織に伴走しながら、地域の課題を一つ一つ解決する活動を行っている。人口減少が進む中山間地では、これまでと同様の活動は難しくなってきているが、地縁組織は変化することが苦手である。里山くらしLABOは、そんな地縁組織に対して、「自治会行事の見直し」「中学生以上全住民アンケート」「特産品補助金事業の事業承継」「地域住民による空き家活用」などにより、見える化や数値化、全住民の巻き込みなどで、変わるきっかけを提供している。

第8回地域再生大賞特別賞受賞

アピールポイント

1.成果・効果

移住促進では、750人の集落に1年半で6家族20人が移住し、集落の子供が4割増となった。補助金事業の事業継承では、若いママさんたちが継承し、特産品の売り上げは倍増。行事の見直しも徐々に進み、変えることが当たり前になりつつある。
これら活動が認められ、共同通信社と地方紙による「第8回地域再生大賞」にて特別賞を受賞。その結果、平成29年度静岡県職員知事表彰を受賞

2.チャレンジ性

第三者という利点を活かし、地域の抱える課題に挑むスタイルで活動を行う。全国的に事例が少ない「中学生以上全住民アンケート」や「行事と組織の棚卸」を実施。全住民アンケートは結果報告書として製本し、全国の中間支援者や地域活動実践者へも提供。
住民主体の地域づくりを推進する「小規模多機能自治推進ネットワーク」に加入。モデル的な取り組みとして全国の行政職員に活動を紹介するなど、全国へと活動の幅を広げている。

3.協働性

中山間地域の自治活動改善を活発化するため、平成29年度に静岡市の協働パイロット事業に提案し、「自治会組織がともに学び合う会」を開催。市自治会連合会や市幹部から継続を求める声があがり、平成30年度も継続実施。また、地縁組織に対する伴走支援活動が認められ、平成30年度に静岡市の人材養成講座「地域デザインカレッジ」の企画運営を市の依頼により実施中。市内の自治会役員向けの講座とし、自治活動による地域課題解決方法の仕組みづくりを教える。

4.持続性

地域との信頼関係を重要視するため、支援期間は決めずに活動を行い、課題解決に向けた仕組みが作られるまで継続する。必要な経費は、地域からは実費以外の活動経費はいただかないが、行政や中間支援組織からは情報提供や講演等の謝礼をいただくことで活動経費としている。
活動を行う2人とも本業があるため、本業に影響のないように、県外からの講演は断るなど、活動範囲や対象を絞り込むことで対応し、活動の持続性を確保している。