【ENTRY05】アルカディオンプロジェクト(南陽宣隊アルカディオン)

飛び公名

HOPEさん(山形県南陽市)

(加藤由和さん、菅野雄三さん、小下圭介さん、加藤陽之さん、河合幸助さん、安部拓真さん)

活動名

アルカディオンプロジェクト(南陽宣隊アルカディオン)

子ども達とふれあうアルカディオン

活動概要

南陽宣隊アルカディオンは、南陽市の公式に限りなく近い非公式ご当地ヒーローとして、南陽市の賑わいづくりと市内外へのPR、子ども達の郷土愛醸成を目的に活動。人と人との「交流」による地域活性化を目指し、地域・幼保施設・高齢者施設・企業イベントでのショー出演をはじめ、単独交流イベントの開催、WEBやSNSを使った南陽市PR、オリジナルグッズの開発・販売、企業と共同での商品開発などを展開中。

南陽宣隊アルカディオン集合写真

きっかけとあゆみ

表彰対象者が所属する「HOPE」は、市主催のまちづくり講座をきっかけに2008年に誕生。公務員の他、会社員、農業経営、自営業に就く20~30代の男女24名が所属する。
「人がいない、魅力がない、活気がない」といった地域課題の改善を目指し「人と人、人と地域の交流」をテーマに活動をスタート。当初は交流イベントの開催を企画したが、話し合いを重ねる中で仲間と同じ目的・時間を共有すること自体に面白味を感じ始めたことから、既存事業を活かしつつ、事業参加者が一体感を得られ、また自分たちが楽しめるものを目指したのが「南陽宣隊アルカディオンプロジェクト」となる。
市内8地区8人のヒーローを目標とするも、資金ゼロからのスタートのため、1人目はメンバーの自腹で製作。市や県の助成金を獲得する一方、出演謝金やグッズ販売料を得て、ほぼ年に1人のペースで着々と増殖。登場キャラクター(特に悪役)の設定が大人にもうけ、広く親しまれていった。
認知度が高まった3年目以降は、親子ワークショップ、他ヒーローとのコラボ事業、菓子店とのコラボ商品なども企画。今年10月、満を持して8人目のヒーローが登場する。

子ども達の交通安全を守るランドセルカバー

アピールポイント

1.成果・効果

アルカディオンは2009年の登場から徐々に認知度が高まり、現在、年間約30件の出演依頼を受けている。その内7割がリピーターとなっており、賑わいづくりのツールとして安定した人気を得ている。またアルカディオンを活用した啓発ポスターやグッズの依頼も寄せられ、市内の新入学児童全員にアルカディオンのイラストを配したランドセルカバーが配られるなど、ご当地ヒーローとして市民に親しんでいただいている。活動を通し、地域や団体代表の方、幼保施設や学校の先生方、マスコミ関係者、市外県外のまちづくり実践者など、公務に活かせる広い人脈と学びを得ることができている。

2.チャレンジ性

ご当地ヒーロー自体はありふれたアイデアだが、変身マスクとスーツは完全オリジナル。値段は高いが、簡易の変身グッズで済ませるヒーローが多い中、質を高めたことで差別化が図られ、結果的に評価も高まった。ブーツについては市内の革靴メーカーから提供を受けたが、そのことを知った県外のヒーローからメーカーに注文が届くなどの反響もあった。

3.協働性

本活動は公務員以外の同志と一緒に立ち上げ、運営している。また活動が既存イベントとの連携を前提とするため、必然的に多様な地域・団体・企業等と協働での活動となっている。

4.持続性

当初から持続的な活動を目標としており、特に運営資金の確保と活動の自立(自律)性を重視。運営資金については、出演時に協力金をいただくことで資金の安定を実現。またピーク時には年間40件を超える依頼が寄せられたことを受け、出演シフトを改良、イベントに出続ける疲弊感の解消と活動へのモチベーションを確保した。またあえて行政の枠組みに属さないことで、自由なアイデアと活動を担保し(それ故に非公式)、自分たちが楽しめる活動づくりを続けている。行政からはこれらの主旨を理解いただいた上で、様々な協働事業の提案をいただき、市民にも南陽市のキャラクターとして認知していただくことができた。