1月26日(土)に福島県伊達市で開催した「第2回 地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット in福島」の首長サミットでの参加首長の発言要旨をご紹介します。
【三ツ星首長の基準について】
※三ツ星首長基準はこちら
滋賀県湖南市 谷畑英吾 市長
- 地域に首長自身が飛び出していくことは普段からやっている。
- 「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」と名刺に入れて、職員にも公務とは別に地域に飛び出して活動してもらうように話している。
- 地域の方にも公務員が地域に出て活動しやすいように、そのことが地域にとってもプラスになるということを理解していただく環境づくりをしていかなければない。
- 既に職員は地域で活動はしているが、さらに、仕組みとして、職員が地域に出ていかなければならないシステムづくりをしないといけなく、そのような仕掛けづくりを昨年から始めた
兵庫県朝来市長 多次勝昭 市長
- 自らが地域に飛び出している(地域で地域の一員として活動している)。
- 地域活動をしている職員への後押しについては、部長会や全体会の訓示でも毎回話をしている。
- 職員は、温度差があるものの、地域に出てしっかりと市役所の職員としての認識を持ちながら活動をしている。
兵庫県多可町 戸田善規 町長
- 首長も一住民として地域活動をやっています。(鹿柵の点検、お寺の活動、自治活動など)
- 職員には日頃から「聴心器になれ、歩聴器になれ。」と言っている。住民皆さんの「心」を聞いてくる。「歩」いて聞いてくる。アンテナを高く持ち、できるだけ情報も発信してくださいと言っている。
- 職員自身が一住民として役所を飛び出して地域で様々な活動をやっていることが点検できる仕組みを作らないといけない。やっている動きが見えるように、職員は伝えていくということもやらないといけない。例えば、「このようなイベントがあるますよ。」ということを発信し、自らの地域活動が分かるようにする。また、CATVもあるので職員の動きを確認もできます。
愛媛県松前町 白石勝也 町長
- 地域に飛び出す公務員といえば、普通は自分の住む地域・市長を連想するが、それだけでなく、例えば東日本大震災で宮城県山元町に応援に行ったが、そこに行った職員が中心になってボランティアで何度も自主的に活動しており、それも素晴らしい地域活動だと思う。
福島県伊達市 仁志田昇司 市長
- 首長は一住民と言っても田舎なので肩書きはついてくるので仕事において現場を大事にしている。
- 職員は仕事を遂行していく必要性から地域に溶け込んでいく。これは、現場、現実、現物が第一という考え方。
- 市民協働を進めるためには、職員が地域に飛び出すということは、当然なこと。こちらから飛び込んでいかなければ、市民にどんどん飛び込んできてほしいというのは通用しない。
福島県会津坂下町 竹内昰俊 町長
- 東日本大震災後、指示を出さなくても職員自らが有休を使って宮城県松島町などにボランティアで行っていることは評価できる。
千葉県山武市 椎名千収 市長
- 職員の地域参加は、田舎なので地縁社会なため当たり前のように地域活動をしていて、様々な刺激を受けている。
- 協働ということで公務員が外に飛び出すことで、逆に市民の側が行政に一緒にやろうと入り込んでくれることを目指している。
千葉県酒々井町 小坂泰久 町長
- 私自身も田舎育ちで、消防団活動から始まり、自治会など地域と密接につながってきた。今も一人の住民として参加している。
- 地域担当職員制度を設けており、制度の中で各地区に2~3人の職員を配置して、地域の方と話をするようにしている。
- 職員が自ら地域の活動に参加することで、職員の意識改革が進んでいる。
東京都武蔵村山市 藤野勝 市長
- 市長になる前は市職員で、自治会長や消防団員など地域で活動した。
- 職員の採用面接試験で消防団や自治会に加入しているか、また、どんな地域活動をしているかを聞くようにしている。
- 小学校区を単位に職員地域担当制度を設けている。
【地域に飛び出す公務員を育て応援していくには何が必要か?】
兵庫県朝来市長 多次勝昭 市長
- 地域に飛び出すことについて、職員間に温度差があるのは否定できない。
- 地域にとっても自分にとってもより有益であるために、一年に一度くらいは自己反省や今後の思いを含めて自己評価、自己申告の制度化を図ってはどうか。そうすれば一層、自覚がうまれるのではないか。それに対するインセンティブを検討することも一案だと思う。
千葉県酒々井町 小坂泰久 町長
- 地域に飛び出す公務員アンケートの「公務員の地域活動の障害」に記載されている「日々の業務の忙しさ」は本当にそうだと思う。財政状況もあり、公務員の数が減ってきている。
- 地域に飛び出す公務員へのインセンティブとして表彰制度は良いと思う。工夫してやっていきたい。
兵庫県多可町 戸田善規 町長
- 町にはイベントの実行委員会がある。実行委員会には手上げ方式で課から最低1名以上が参加するので、自然と地域に飛び出さざるをえないかたちになっている。
- 私も表彰制度を取り入れたい。
愛媛県松前町 白石勝也 町長
- 職員が地域活動に参加しない理由として「忙しい」というのがあるが、町長より忙しい職員はいないはず。
- 職員が自分の時間を使って地域に出て活動することは、首長の大きな役割である。職員が地域活動に参加しやすくするために、住民にも理解してもらうことが必要。
東京都武蔵村山市 藤野勝 市長
- ボランティア休暇を取得しやすいように、職場での環境作りが大事。武蔵村山市では、グループ制を活用していて、ボランティア休暇を取得してもグループ内でカバーし、次は違う者がボランティア休暇を取得するというふうに気運を高めている。
福島県伊達市 仁志田昇司 市長
- 公務員バッシングはあり、町内会など地域活動に参加したくなくなってくる。しかし、田舎では、公務員だから、市役所の職員だからという肩書があるのは仕方ないこと。
福島県会津坂下町 竹内昰俊 町長
- 職員が地域の飛び出せるために仕掛けが必要である。行政サービスを待つのではなく、NPO法人などを自分たちで作って自分たちでやればよい。そして、そこに職員も入っていけば良い。
- 職員を退職すると自治会長などが必ずまわってくるが、それ以外にも、現役時から地域の方と連携してNPO法人などを作っていけば、地域活動が継続していける。
千葉県山武市 椎名千収 市長
- 地域に飛び出す公務員アンケートの「公務員の地域活動の障害」になっている「職場での嫌がらせ」は、例えば長期災害派遣などを手挙げ方式で行っていても、職場の上司の理解が得られずできないことがある。これは、絶対に避けなければならない。
- 職場において上司になる立場の者へは、地域に飛び出しやすい職場環境づくりを、職員においては地域に飛び出す公務員になっていく必要性を、区分して対応していかなければならない。
滋賀県湖南市 谷畑英吾 市長
- 地域に飛び出す公務員を応援する制度として、飯田市では人事評価で直接的に給与に反映されている。このように実際に評価ができると、どんどん地域に出ていくのではないか。例えば、SNS制度の貢献度などは情報発信度で評価できる。
【まとめ】
佐賀県 古川康 知事
(地域に飛び出す公務員を応援する首長連合代表)
- 提案のあった飛び出す公務員の表彰制度について、自治体ごとに取り組んでもらうと同時に、首長連合としても表彰制度を行ってはどうか。
⇒ 全員賛成
- 次回開催地について
⇒ 第3回首長連合サミットは、千葉県山武市で酒々井町の協力のもと開催する。