『第5回 地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット in 滋賀』首長会議録

『第5回 地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット in 滋賀』首長会議録

近江学園を創設し、わが国の障がい者福祉・教育に偉大な足跡を残された糸賀一雄氏の遺志を継ぐ滋賀県湖南市にて、「第5回地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット in 滋賀(平成27年11月22日(日)~23日(月)」が開催されました。その時の首長会議要約版をアップします。

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『第5回地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミットin滋賀』

  • 首長連合代表挨拶:平井 鳥取県知事

本日は「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット」に全国各地からお集まりただき,ありがとうございました。湖南市でのサミットが多くの皆様に新しい種をまき,各地へ散っていって大きく花開いて,日本の国が元気になることを願っている。本日の皆様の積極的なご参加をお願い申し上げたい。

  • 開催地歓迎挨拶:谷畑 滋賀県湖南市長

「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」の活動も5年が経過した。地域に飛び出す公務員のそれぞれの先進的な取り組みを学び合いながら,日本全国が地方創生で元気になれば良いと思う。今日のサミットと明日のエクスカーション,湖南市として目いっぱいおもてなしをさせていただきたい。

  • 事務局報告:福田 事務局長(鳥取県職員)

本日の配布資料では加盟首長60名となっているが,先日,千葉県の四街道市長も加入したため,現在は61名。飛び出す公務員の活動を応援していただく首長の皆さんの参考になればということで,今回は応援施策の一つである休暇制度をテーマに調査した。

  • 施策調査報告:坂田 事務局員(佐賀県小城市職員)

調査時点(平成27年10月)で首長連合に加入している59自治体に対して調査を実施,88.1%の回答率,52自治体から回答があった。

・ボランティア休暇等があるか?

「ある」・・・50自治体  「ない」・・・2自治体

・休暇対象となる活動について,制度上限定的に列挙しているのは46自治体。

・休暇対象として限定的に列挙している活動は?

「被災地における支援活動」は,すべての自治体で挙げられている。「福祉施設における活動」や「障害者等への日常支援活動」を挙げた自治体は,ともに9割を超えている。

合計5つの自治体では,地域活動,いわゆる自治会や町内会の活動もボランティア休暇の対象としている。

・ボランティア休暇等の取得実績は?

長野県の100人が193日取得したという数を最高に,合計225人が取得,376日の休暇を活用。しかし半数を超える自治体が,取得人数も取得日数も0だった。

・休暇制度を職員に分かりやすく紹介している取り組みがあるか?

庁内イントラネットで休暇制度の内容を周知している(山形県)

新採職員研修で休暇制度の説明を行っている(鳥取県倉吉市)

・今回の調査によって,制度があっても活用されていない現状が少し浮き彫りとなった。

忙しくて休めないのかもしれないが,活用のための周知の大切さも改めて感じた。

  • パネルディスカッション

テーマ「日本中が飛び公でいっぱいになるには 首長による飛び公サポート計画」

【椎川 さん(一般財団法人 地域活性化センター理事長)】

地方創生というのは本来,下から積み上げていくもの。それをやっていただくのは地域に飛び出す公務員,そういうメンタルを持った人達だと思う。今日は,これからの広がりをどうやって確保していくか,話を進めていきたい。最初に,前事務局長の岩永さん。

【岩永さん(佐賀県職員)】

・自分の娘が3歳で突然1型糖尿病を発症,インスリン注射を死ぬまで打たなければならなくなった。これがきっかけで15年間,NPO法人日本IDDMネットワークの事務局として,患者・家族の支援活動をしている。

・究極の目標は,1型糖尿病を「治らない」病気から「治る」病気にすること。

・活動は主に「救う」「つなぐ」「解決する」という3つのカテゴリー。発症初期には,患者の親に対する情報提供。企業や行政とつなぐ役割。治る病気にするための研究費助成。

・三重県庁への協働提案を行い,2007年9月に「1型糖尿病お役立ちマニュアルPart3-災害対応編-」を発行。2013年5月,伊達市等の協力により「1型糖尿病関係者の東日本大震災」を発行。

・カバヤ食品株式会社との協働事業で,第11回パートナーシップ大賞“グランプリ”獲得。

・2005年に基金を造成し,佐賀県庁のNPO等指定ふるさと納税のおかげで今年度中には5000万円まで研究費の助成ができる。「100人委員会」という応援団もある。谷畑市長が100人委員。

・資金調達のためにクラウドファンディングを活用,2016年2月には,膵島移植関係のプロジェクトを開始する。

・こうした経験を公務にいかしている。

・佐賀県庁の協働化テストに取り組み,国連表彰を受けた。

・NPO等指定ふるさと納税をベースに,佐賀県へNPO・NGOを誘致。

・古川前知事は「役所を外から見なさい。外から見ると役所のおかしいところが見えてくる。おかしいところが見えたら役所でやらなくなる」と言っていた。

・佐賀県ではこうした「プラスワン活動」を15年度からやっている。

 ・山口知事に変わって、平成27年度に功績顕著表彰が創設された。公務外の活動も対象になっている。

【椎川さん】

佐賀県庁では,飛び出す活動への障害はないのか?

【岩永さん】

今は特に感じない。最近は新聞に載ると上司がほめてくれる。

【椎川さん】

2番目は大越さん。飛び出す公務員アウォード受賞後,釧路市職員を辞めて,市議会議員に当選。

【大越さん(北海道釧路市議会議員)】

・釧路市の職員になった年に娘が母校の小学校入学,「おやじの会」に入った。

・釧路市に台湾からの観光客が増えたので,旭川市の日台親善協会へ視察に行き,釧路日台親善協会を立ち上げた。

・釧路市内いたるところに違法看板があった。Facebook上に「違法看板の撤去を求める釧路市民有志の会」を立ち上げ,撤去した違法看板は銭湯でリサイクルした。

・冬休みの補習授業を見学した時に,3年生で1桁の繰り上がりの足し算ができない子を見つけた。何とかしたいと思い,地域の有志で「釧路鳥取てらこや」を立ち上げた。

・日本数学検定協会と組んで算数検定をやってみようと思い,学校側には場所の提供を頼んだが,抵抗されて説得に4か月かかった。PTA主催で市内の児童に呼び掛けて算数検定をやったのは全国初だった。

・地域に飛び出す公務員アウォードにエントリーしたのは,私の取り組みが変なのか,釧路市教育委員会が変なのか,皆さんにジャッジしてもらおうと思ったから。

・受賞後は,文部科学省で講演する機会や「てらこや」の視察もあった。日本経済新聞の全国版でも2度紹介された。

・それでも「公務員のくせに生意気だ」と言われ,ついに公務員を飛び出した。市民にジャッジしてもらおうと、準備期間2か月半で選挙戦に臨んだら,なんと初当選,この段階で異端から正統へ変わった。

・どこでどうつながるかわからない,人と人のつながりがあってこそ,私はここにいる。まさに「人生出会い」である。

【椎川さん】

釧路市は今でもやりにくいのか?

【大越さん】

民間は考え方が熱い。公務員の場合は,地域に飛び出すと議員に繋がるから,ほどほどにしないと出世に響くぞと言われた。

【椎川さん】

3人目は山形市の職員の後藤さん。「東北まちづくりオフサイトミーティング」は,かなり有名な活動,全国の飛び出す公務員の代表選手。

【後藤さん(山形県山形市職員)】

・地域の「ち」に知識の「知」を使って,まずは身近な「知域」に飛び出そうと呼び掛けている。勉強会,お祭り,異業種交流会など,「知」をキーワードとした自分なりの「知域」を見つけて,自ら足を運ぶこと。小さな一歩でもいいので,何より行動することが大切。

・お酒作りの活動,イクメンの活動,各地でふるさとがえりの上映会を開催。東北まちづくりオフサイトミーティングは,28名の自治体職員でスタートし,今は会員850名超。定期的な勉強会,被災地支援のイベント,ITを活用した情報交換を通して,学びの場,交流の場,被災地と被災地以外の地域をつなぐ場を作っている。マニフェスト大賞の市民グランプリをいただいた。

・知域に飛び出すきっかけは,関西学院大学の石原先生の勉強会に参加したこと。自分の組織や地域にいただけでは,自分たちの強み弱みがつかめない。

・陸前高田市の戸羽市長からは,知域に飛び出すメリットを教わった。自分にない能力を身に付けようとするとお金も時間もかかるが,それを持った人達と出会うことですぐに活動が始められる。

・職場の中で浮かない努力はするべき。ワーク・ライフ・コミュニティバランス。コミュニティは,ライフとワーク,家庭と仕事を補完するもの。ネットワークで得たものは必ず家族や仕事に活かす。

・飛び出す公務員を応援する方法としては,制度を整えることよりも,首長や上司からの一言が大事。「○○君がいて良かった。○○君のような職員を作りたい」という一言があるだけで,モチベーションが上がる。

【椎川さん】

前市長から激励の声をかけていただいたということだが,今の市長からはどうか?

【後藤さん】

今の市長からも,マニフェスト大賞とった後には市長室に呼んでいただき,「きちんと仕事もしつつ,こういった活動も続けてほしい」と言われた。

【椎川さん】

次は岐阜県の都竹さん。アウォードを受賞した「鶏ちゃん合衆国」は面白くて素晴らしい取り組み。

【都竹さん(岐阜県職員、H28年3月7日より飛騨市長)】

・「鶏(けい)ちゃん合衆国」の国務長官をしている。鶏ちゃんというのは郷土料理で,お店や地域によって味が違う。発祥地争いで1つにまとまらなかった。ある時,まとまらないままつながればいい,面白おかしくやればいいんだと思いつき,「鶏ちゃん合衆国」を作った。

 ・国旗,国歌,パスポートがある。「人間国宝重要有鶏文化財」を認定。国立「羽ー鶏(はーばーど)大学」は私が学長で,文化学部と教育学部がある。講義を聞いてゼミを受ければ卒業。1回参加で学士,2回参加で修士,3回参加で博士。卒業生は400名を超え,博士が3人いる。

・鶏ちゃん交流会の開催。コンビニ等とのコラボで,鶏ちゃん弁当と鶏ちゃんカレーを作った。イベント出店もやっている。

・地元銀行がお金を出してくれて,「下呂鶏ちゃんガイド」を制作。地域間交流として,長野の信州山賊焼と鶏和友好条約を締結,合同鶏供養をした。滋賀の高島とんちゃんとも友好交流をしている。

・この活動は,役所の仕事としてできなくもなかったが,面白おかしい事を役所でやると必ず否定される。予算が付くと,魔のサンセット方式で切られる。自分が異動すると関われなくなる。それで自分でやろうと思い立った。

・活動を始めて良かったことは,人に協力してもらう事のありがたさ,大切さを実感できること。人脈が爆発的に広がり,個人として信頼関係で付き合える。それが仕事に役立つ。役所で培った能力が活動に活かせる。何よりも人生が楽しい。

・活動の壁は,あえて言えば金を扱うことの難しさ。県の共済で活動資金を借りようとしたら,営利事業じゃないか地方公務員法違反じゃないか?と言われた。

・首長の皆さんにお願いしたいのは,「いい事やってるね」と一声かけてくれること。どんどんやれというムード作り。目の敵にせず,特別扱いにもせず,自然体で普通に扱っていただければ一番助かる。

【椎川さん】

マスコミに取り上げられた経済効果は?

【都竹さん】

トータルすると数億円の効果になる。資金ゼロ,年間国家予算50万だが,本当に面白おかしくやっていると効果があると思う。

【椎川さん】

最後は朝来市の馬袋さん。全国を講演して歩き,かなり有名な職員。

【馬袋さん(兵庫県朝来市職員)】

・市民活動支援など仕事での気付きと,2児の母親という市民としての気付きから,自分が好きな事や得意な事を地域活動としてやっている。

・小学校統合によるバス通学で,子供が運動不足になっている,地域の子供達の距離が離れてきたことを感じた。学生時代に自然活動体験指導員をした経験を活かして,生涯スポーツ講座を始めた。幅広い年齢の住民交流の場になっている。遊び場づくりとして,キャンプや地域の自然を知る体験活動もしている。

・若い世代にとって地域活動はハードルが高い。自分の周りには何かやりたいと思っている方が多く,自分が仕事で培ってきたコーディネートの力を活かし,通訳の役割ができないかと思い,「与布土発掘プロジェクトチーム」を作った。昔の写真展や歴史勉強会を開催。若い方が力を発揮するような形で,情報発信をしている。

・市民活動グループの「あさごぜる」がスタートした。移住者の方々も含め,地域の枠を超えた市民活動。20代から40代の若いメンバー20名ぐらいで下支えをして,多種多様な職業の方が参加。空き倉庫を使って,DIYでオープンスペースづくりをした。「あさごぜる」の活動では,仕事の中と地域活動とを上手く融合できた。多様な人材が交わって人が人を生むようなグループになりつつある。

・私自身が大事にしているのは,仕事と地域の事をきちんと繋げていくこと。市民として動くことによって得られる気付きと,活動から得られる市民からの信頼関係をきちんと仕事に活かしていく。活動の中で小さな社会実験もできるし,市の施策に反映して行きたい。

・もし市長が真面目な顔をして「あいつはちゃんと仕事をしているのか?あいつは活動ばっかりして仕事やってないんと違うのか?」と言われると,非常にやりづらいし,組織の崩壊になってしまう。でも市長は,「職員は地域の一員である。地域活動に率先して参加するように」といつも訓示の時に言ってくださる。市長自らも地域の一員として事業に参加している。これは市長がメガホンで応援してくださっているのと同じなので,朝来市役所全体が地域活動に参加しやすい組織になっている。

【椎川さん】

馬袋さんのFacebookを見ると,公務員が飛び出しているというよりは,地域で活躍している人が市役所の中にいるという理想の形。朝来市役所では馬袋さんのような人があふれているのか?

【馬袋さん】

そうです。

【椎川さん】

ありがとうございました。今日発表された皆さんは,最初からのメンバーが多かったり,アウォード受賞したりと活躍している。個人が業績を上げるだけでなく,組織が横に繋がって,日本全国の雰囲気を変えていく発想になれば良いと思う。多次市長,朝来市の雰囲気はどうか?

【多次 兵庫県朝来市長】

普通は市長が喋ると職員は黙って聞いているが,朝来市はすぐ職員が口を出してくる。地域づくり,与布土地域自治協議会,「あさごぜる」の話があった。「こぜる」というのは私共の方言で,横からちょっかいを出すこと。今までとは少し違った方面から,若者と一緒にやっていこうという職員たちを応援していきたい。

【三日月 滋賀県知事】

昨年から知事をしている。ワーク・ライフ・コミュニティ・バランスという言葉を私も使いたい。まとめようとすると難しいけど,面白く繋がったら良いんだという発想,役所の名刺を渡すのではなくて,人として内容で勝負する。市民として動いて,小さな社会実験をする,皆さんの話はさすがだと感じた。何か特別な事をやるのではなくて,邪魔せずに,一緒に活動できる知事になれたらと思う。

【平井 鳥取県知事】

今,皆様のお話を聞くと,この活動がむしろ正統だと思う。こういう皆さんがど真ん中で,地域と行政を実は裏で支えている媒体だという事を,首長は自覚し,その環境作業作りをしないといけない。何かくだらん事を考えていると役所で評価されないという話があったが,鳥取県は評価する。役所の中の発想では無理。特に世の中に繋がって行こうと思うと,外の目線・外の発想の方が面白い。そういう事をやっていたら広告効果34億円に跳ね上がった。私が関与しないところでは,「すなば珈琲」という店が市内に4店舗できた。むしろ役所の枠を離れた所の方を推奨してくれた方がよっぽど地方創生に役立つ。

【椎川さん】

昔は,県庁という所は決まった仕事をこなしていくのが正統だった。最近は地域間交流があり,マーケティングをしないといけない。決まった仕事以外をできるようになることが必要。昨年の7月に,全国知事会で地域活動を応援する宣言があったが,ご紹介頂きたい。

【平井 鳥取県知事】

古川前知事が提案して,全国知事会で決議された。だから堂々と飛び出したら良いと思う。

【仁志田 福島県伊達市長】

市民から直接選挙で選ばれているという点で,議員と我々の関係や,職員と首長の立場は違う。教育委員会は極めて保守的。教育委員会の実態は県教委,文科省から来ている。福島県は,原発問題などあって,県の指導力があまりない。逆に今は,県の指導で動く時代ではない。地元にいて意見を言い,行動する,飛び出す公務員の活動は極めて重要だと思う。これからは地域に合った事をやるべき。県も地域だが,県の役割は何か。

【椎川さん】

他に何かご発言があれば。

【谷畑 湖南市長】

一点だけカバーしておきたい。湖南市においては,教育委員会は非常にオープンで,先生方とも首長部局ともフラットな関係で意見交換している。

【椎川さん】

こんな立派な活動をしている職員が全国に2500名いて,全国のメーリングリストで繋がっている。地域活性化センターがその事務局をしている。それぞれの地域の中でオフサイトミーティングや自治体職員有志の会などがある。今日は事例発表があったが,制度がどうのということよりも,まず頑張っている人に声をかけて頂くこと。私も総務省に36年半いたが,ほとんど褒められた事がなかった。

小さな自治体では県外のつながりを増やしていただき,この運動を全国に広げて行きたい。アウォードばかりではいけないということで,今回は議論の場をセットした。サミット5回目にして良い成果が得られた。親しい首長さんへもう一声二声かけていただき,この組織が大きく世間にPRでき,公務員を勇気づけられる組織になってほしい。

  • 首長会議

議題1 地方創生の時代に求められる公務員とはどういうものか

【山本 北海道東神楽町長】

いろいろな形で地域と関わっていける資質がある公務員。

【仁志田 福島県伊達市長】

自ら考え行動できる公務員。

【椎名 千葉県山武市長】

公務員の立場から離れて,または公務員の枠組みの中で地域との関わりを持てる公務員。

【小坂 千葉県酒々井町長】

地域に飛び出して活動することを楽しめる公務員。

【三日月 滋賀県知事】

行政の外の仕事をして,行政の中の仕事を変えられる公務員。

【野村 滋賀県栗東市長】

応援する人,手助けする人など,全員野球で頑張れる公務員。

【多次 兵庫県朝来市長】

市民と直結して市民の想いを自分事として実感できる公務員。

【松本 鳥取県北栄町長】

地域の中で各々に応じた役割を持って社会の想いを解決できる公務員。

そういう仕事を楽しく,わくわくしながらできる公務員。

【谷畑 滋賀県湖南市長】

公務という制約の中で,仕事の自由度を高いものに自ら組み立てられる公務員。

当意即妙にものを考えることができる公務員。

議題2 首長あるいは首長連合として飛び公を応援するために何をすべきか。

【谷畑 湖南市長】

排斥されがちな名物公務員,面白公務員が必要であることを,国に浸透させる。

【松本 北栄町長】

地域活動の表彰や,集落支援員の認定など地域で活躍する職員を作る政策を推進する。

【多次 朝来市長】

地域に飛び出す活動に対して,責任は取る,頑張ってください,自由にやってください,という思いを職員に伝える。

【野村 栗東市長】

職員のアイディアを,失敗を恐れずに実現する。

本市外の地域に住んでいる職員が,自分が住んでいる地域で活動することも奨励する雰囲気を作る。

【三日月 滋賀県知事】

地域に飛び出す活動を実践されている職員を事例に,『なんかあの人って良いよね』ということで職員とコミュニケーションを取り,強制,強要ではない感じの雰囲気を作る。

【小坂 酒々井町長】

ボランティア休暇制度の充実や人事評価の活用などで飛び出す環境を整える。

【椎名 山武市長】

職員が地域活動をするのが当たり前になるような政策を推進する。

【仁志田 伊達市長】

職員がやりたいということに反対はしない。どんどんやれ,ということを浸透させる。

【山本 東神楽町長】

地域活動をやっていくことは,自分の人生にとってものすごく大事なことだということを職員に伝える。

【平井 鳥取県知事】

飛び出す公務員を応援するにあたって,兼職禁止,職務専念義務の規定が抱える課題などにも議論を広げていく。

フロア参加者との意見交換

【職員A】

自分は飛び出して活動しているが,そんな自分を支えてくれる職員がいるから安心して飛び出せることに感謝している。そういう支えてくれている職員をきちんとフォローされると,さらに飛び出しやすい環境になるのではないか。

【平井 鳥取県知事】

公務員がチャレンジをする時に,職場全体で支える環境は必要だ。私達はそんな職場環境作りをやらなければならない。

【職員B】

「7つの習慣」の研修の成果は。

【北海道東神楽町職員 小泉】

(東神楽町長から研修を受けた感想を促されて)すごく感動をしたが,なかなか実践できなかった。ただ,自分を高めていける感じがあり,良い経験となっていて,とても感謝している。

【職員C】

地域で活動をした時に,職員としての対応を問われる場面がある。

【平井 鳥取県知事】

地域に出て行く職員の現場目線がつなぎ役になって連結するという役割を果たせるような制度設計が必要だと考える。

【職員D】

 教員として総合的な学習の時間を担当しており,それをちゃんとやるには地域に飛び出さないと良い単元ができないと思ってやっているが,今,どちらかと言えば下火になっていて,あまり教育に活かされてないと思っている。

【平井 鳥取県知事】

総合的な学習で扱うことに首長も協力し,教員も地域に飛び出し,世界遺産のような題材に対して,材料・解決策を考えてもらうことは,地方創生の1つのモデルになると思う。

総括

【平井 鳥取県知事】

私達は次の新しい時代に扉を開き始めている。安定感より自由に動き回る。官と民との境界を取り払う。そういうオープンな公務員を作って欲しい。

実際に世の中で何が起こっているかを見る事は役所の職員の立場でも,本人の人生の意味でも,豊かさの彩りになる。

私達が本当にいい仕事ができる公務員になるためには,世間と1つになる事。そのために飛び出す公務員という姿があるんだという事を,この場に参加された各々が確認されたと思う。

そのほか,来年度に第3回アウォードを実施すること,次回の首長サミットを千葉県酒々井町で開催することが決定された。次回の開催地である酒々井町の小坂町長からあいさつがあり,首長連合サミットは閉幕した。

【小坂 酒々井町長】

酒々井町は,明治22年に当時の町と村が合併して酒々井町となった。今年で126年という事で,全国で古い町の中で1番目だ。東京から50キロ圏内で,隣に成田空港がある成田市がある。力いっぱいやるので,皆さん是非ともお越しいただくようお願いする。

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