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『第6回 地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット in 千葉』首長会議録

『第6回地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミットin千葉』

 

 
全国最大級・最古といわれ、約3万年前の旧石器時代の居住が出土した千葉県酒々井町。この地で、「第6回地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット in 千葉(2017年1月28日(土)~29日(日)」が開催されました。その時のサミット要約版をアップします。
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●首長連合代表挨拶:平井 鳥取県知事

 

 皆様こんにちは。本日は千葉県酒々井町において,多くの皆様,そして加盟首長65名中19名参加のもと,サミットが開催できることに心から感謝申し上げたい。

 

椎川理事長の提唱により,多くの公務員が地域へ飛び出し始めた。私たちは地域の中で壁を作るべきではない。むしろ,私たちが飛び出して行って役割を果たす。また,市民町民とパートナーシップを組んで,それぞれに実行していく。今日,皆様と時を共にする事によって,日本が変わっていく,このサミットから新しい歴史が生まれることを願ってやまない。
●開催地歓迎挨拶:小坂 千葉県酒々井町長
皆様,ようこそ酒々井町においでいただきました。酒々井町は東京から50㎞圏内。上水道・下水道は千葉県でトップクラスの設備数があり,大変住みやすい町。平成254月に,酒々井インターチェンジのオープンに合わせて,プレミアムアウトレットができた。近況としては,酒々井パーキングの上り線の脇に旧石器時代,約3万年前の人の居住が出土した。これが全国最大級・最古ということで文化庁指導のもと遺産調査となる。皆様方に心から感謝,歓迎を申し上げ,ご挨拶に代えさせていただく。
●地域に飛び出す公務員アウォード2016 受賞者プレゼン

全国330万人のうち,様々な立場の公務員が,日頃地域に飛び出して活動している。

これを後押しするために2013年から「地域に飛び出す公務員アウォード」を設けた。今回は3回目。全国各地より応募のあった中から5団体を表彰。
空き店舗を活用した地域活性化プロジェクト『EGAO屋』
野村 和義さん,和田 真人さん(豊明市)
別々に地域活動を行っていた二人が,偶然同じ部署に異動し,意気投合して一緒に活動を始めた。最初は「学びの会」を立ち上げて,ワインの美味しい飲み方講座,ファシリテーション研修などを実施。その中で地元商店街の金物屋さんと繋がり,市内にシャッター商店街が沢山あることに危機感を感じ,何かやってみようと考えた。その時の飲食代が8,888円で,運命的なものを感じ,この三人から「EGAO屋」が始まった。
5年間空き店舗だった場所を,お金を出し合って借りて,拠点として整備した。老朽化で解体した野外教育センターの廃材や,五十年近く前に小学校で使っていた机をEGAO屋に移し,当時の思い出を残せるようにした。意気投合したメンバーも加え,約半年くらいで人が沢山来るような場所になった。地元の区長さん,商店街の会長さん,近所の大型スーパーが連携して,地域を盛り上げていく三者協定を結んだ。
EGAO屋を三部制とし,シャッターを1分でも長く開けることに挑戦。平日の午前中は,地元の人が集まってコーヒーや会話を楽しむサロンとして。平日の午後は,地元商店主の「匠講座」を実施。金物屋さんのプロ直伝包丁砥ぎ,接骨院の自分に合うまくらの選び方,焼き鳥屋さんのプロフェッショナル焼き鳥大会など。市民大学の講座会場としても活用されている。夜間・休日は,自分たちがやりたいことを即やれる場所として。朝活,職員の自主勉強会,ダンボールでピザを焼く講座,親子の五感を使った遊びなどを実施した。年末クリスマス忘年会では,地域の方,商店主,大学の先生,学生たち,我々公務員と,色々な人たちが集まって,EGAO屋での会話を楽しんだ。
社会人基礎力を習得するアセンブリ教育として,藤田保健衛生大学と連携。EGAO屋の場所を使って,学生たちの企画・運営によるハロウィンパーティを実施。当日だけで100人以上の方が来店。チームワークが身に着き,社会に出た時に活かせることから,学生の地域活動が卒業の要件になったり,単位取得できるようになった。
EGAO屋ができたことによって,地域,大学,商店街の人達のつながり,いわゆる協働と,やりたいことを即やってみるという挑戦が生まれた。
このEGAO屋は,私たち公務員が頑張ったからできているものではなく,地域の方たちの力が非常に強い。まずは地域に飛び出して色んな事をやってみよう。何かやってみたいと思ったら,是非私たちに連絡してほしい。
(2)名勝・重要文化的景観「おばすて(田毎の月)」の棚田の保全活動
矢島 重信さん,金井 和良さん(長野県)
姨捨(おばすて)の棚田は,総面積およそ40ヘクタール,約1500枚の田んぼが並ぶ日本の原風景。「姨捨(田毎の月)」として棚田では全国で初めて名勝指定された。農林水産省「日本の棚田百選」にも認定。最近では長野県初の「国の重要文化的景観」に選定された。
私たち「田毎の月 棚田保存同好会」は,棚田の風情を蘇らせて,農作業を通じて人と人の触れ合いを深めていくことをテーマにしている。棚田は急傾斜地で非常に使い勝手が悪い。後継者不足で荒廃した田んぼが多くなってきたことから,今から20数年前,農業を全くやった事がない素人の県職員7人が立ち上がって,地元農家の指導を受けながら,稲作りを始めた。それが今では,耕作している田んぼは大小合わせて69枚になった。
同好会の会員は総勢30名。地元職員のほか,公務員に限らず首都圏,中京圏からも参加。組織的には,耕耘,田植え,代掻き,草刈り,稲刈り,脱穀,交流という簡易編成を組み,メンバーそれぞれが役割分担して活動している。
私たちは地域との交流を大事にしている。都市と農村の交流を進めるため,田植えや稲刈り体験ツアーを開催。毎年,近隣の市町村からも,子供達と保護者が農作業体験に来る。農作業の合間には,地元の農産物をふるまい,地産地消の考え方も伝えている。
農作業だけでなく,荒れて雑木林になってしまった棚田の復元や,土手が崩れた時の土木作業も行う。最初のうちは,よそ者,素人が何やっているんだと地元の方から冷ややかに見られていたようだが,長年一生懸命やっているうちにようやく理解され,地元からも棚田保全団体が誕生した。これが一番の成果。保全団体が増えてくると,市も動きを見せ,棚田のオーナー制度は千曲市が先駆けだと思われる。さらに私たち同好会の呼びかけにより,千曲市棚田保全推進会議という横の連携ができた。
おばすてでは棚田の復元・維持活動により,観光客が増える一方,後継者不足,保全団体の高齢化が課題。担い手不足,資金不足は慢性的。私は年間20数日,田んぼに出かけているので,12ヵ月は公務員として労働し,そこにプラス1ヵ月,田んぼでボランティア活動をしているので,一年13ヵ月働いているようなもの。
なかなか得にならないことをどうしてこんなに一生懸命できるのかという質問をよく受ける。みんな棚田が好きだからやっている。これに尽きる。農作業で汗をかく気持ちよさ,仲間と集まって語り合うこと,子供たちの笑顔を見ること,いろんな思いを棚田というキーワードにして,すべてをひっくるめて好きになったから,活動が成り立っている。これからも農作業を見て,体験していただくことで,子供たちや地域の方々に本当の豊かさを伝えていければと思う。僕らの汗と涙の結晶,おばすての棚田へぜひ,お越し下さい。
(3)「輪,笑,話,和」,4つの「わ」で地域の元気づくり
名畑 浩一さん(宍粟市)
私たちメイプルタウンクラブの活動は,「輪,笑,話,和」すべて“わ”という言葉で括れる。4つの“わ”で地域の元気づくり。会長以下,4つの委員会がある。「ゆめづくり」「まちづくり」「ひとづくり」「WAづくり」。現在41名のクラブ員が活動している。その中で公務員が13名。
メイプルタウンクラブの取り組みとしては,まず,各種イベントの企画運営や講演会開催など。
伝統文化の継承,「出前盆踊り」。少子高齢化で盆踊りが開催できなくなった地域に出向き,盆踊りを実施。基本的に3ヵ年その地域に出向き,あとは自立していただく。
復活「ふれあい運動会」。市町村合併で町の運動会が終了したが,地域で老若男女交流することは非常に大事なので,運動会を復活させた。2年に1回の運動会を企画している。
スポーツの祭典「はがリンピック」。波賀町内の施設を1日借りて,野球,バレーボール,ソフトボール,柔道など,いろいろなスポーツを同時に開催する。リレーで42.195 kmを繋ぐマラソンは日本記録を達成した。
「餅つき隊」参上。杵と臼による餠つきの文化が非常に廃れてきた。餠の食文化を後世に残したいということで,餅つき隊を平成17年に結成した。福祉施設への訪問,子供たちの餅つき体験。結婚式などにも出動。経費は両家からいただき,活動の財源にもなっている。一番思い出に残っているのは,東日本大震災。平成2311月に避難所にも出向き餅つきを実施した。避難所の方と一緒に餅つきをして,笑顔を届けることができた。
波賀町と同じメイプルタウンになっている青森県六戸町と交流を続けている。
食を通じた地域活性化。地元の食材を活かした活動として「S級グルメグランプリ」を実施。2年続けて優勝した「おふくろ工房」は,自分達で店をしたいということで空き園舎を借りて,そこで食堂を始めた。
こういった形でずっと活動してきた。何でここまでやってこれたかと言うと,終わった後には皆で必ず慰労会をする。これが活動の原点。やはり地域が元気で,地域が笑顔,こういった地域づくりをこれからも続けていく必要があると思う。そういった意味で,私たちの活動がより広く,市全体に広がるように活動を続けていきたい。
(4)ごみ拾いからはじまる地域イノベーション「宮崎ベースキャンプ」
池袋 耕人さん,西 博之さん,上村悠介さん(宮崎市)
部局横断で空き家の利活用を検討するプロジェクトチームが組織されたことをきっかけとして,「自分たちの町だから,自分たちでできることからやってみよう」という機運が高まった。一昨年の四月,そんな6人が集まり,挑戦を支援する基地「宮崎ベースキャンプ」を作った。
理屈より行動が大切。みんなでごみ拾いを始めた。ごみ拾いは,汚い,臭い,地味。でも,ごみ拾いは簡単で,誰にでもできる,そして誰もやっていない。
毎月二回の街中清掃。楽しくやれば何でも楽しくなる。一番大切にしているのは,街中清掃の後の秘密会議。ここから生まれた新しいプロジェクトは,月一回の読み聞かせ,学生と事業者が働くことについて考える場「ジョブカフェ」,野菜と農家とをつなぐ食のプロジェクト「究極の朝ごはん」「パワーモーニング」など。
宮崎のチャレンジする文化の育成をモットーに活動している民間団体「スタートアップバレー」と共催で,プラネタリウムで夢を語るプレゼン大会を開催した。「本でつながる街を作ろう」というプロジェクトでは,ベースキャンプと商店街と建築士会で協力し,みんなで本棚を作って設置した。熊本大震災が起きた直後には震災対策のワークショップを行った。慶應義塾大学の保井先生を招いて新しい形のワークショップをやったり,地域の活動家が発表を行うローカルベンチャーサミットも開催した。
さらにそこから発展したものがある。本棚を作った大工さんは,街の中にこんなに木に興味を持っている人がいることを知り,製材置き場をすべて改修し,自分の費用で子供たちが遊べる場所を作った。
私たちと一緒に活動している高校生は,自分たちで団体を立ち上げた。これから防災対策のワークショップを積み上げて行って,宮崎の防災を作ろうと考えている。
宮崎ではごみ拾いから地域イノベーションが起きている。みんなで街の中を歩いてごみを拾っていくと,色んな課題が見えてくる。その見えた課題が,その後の秘密会議の中で共有され,共感され,どうすればいいのか,自ら解決しようというふうに進めていく。そこから新しい形の対話が行われて,色んなイノベーションが起きている。
宮崎はなんでもできる。色んな人がいる。私たちは宮崎の公務員をつないでいって,新しいネットワークを作ろうと考えている。4月からは,地域を考えるスクールも作っていく。
私たちの活動は成功ばかりではない。むしろ失敗のほうが多くて,誰でもできるようなことを積み重ねていっただけ。その結果,公務員の仕事にも良い影響を与えている。行動する,これがまず大事だと思う。一緒に行動していくということを皆さんも大事にして欲しい。
(5)本気の映画製作を通じたまちづくり「みしまびとプロジェクト」
小嶋 敦夫さん(三島市)
昭和の三島が舞台の,家族の絆を描くテーマの映画『惑うAfter the Rain』を製作した。映画製作は目的ではなく,人づくり,まちづくりの手段。ただ,手段と言いながらも,本気の映画作りにはとことんこだわり,一流のプロとコラボレーションして作った。宮崎美子さん,佐藤仁美さんなど,実力派の俳優が出演。林監督,脚本家の栗山さん,映画製作会社のファイアーワークス,黒澤明さんの娘さんで国際的に有名な衣装の黒澤和子さん,有名カメラマンの高間さん。
国際映画祭にノミネートすること,全国ロードショーを目標にした。実際レッドカーペットを歩くことができ,全国ロードショーは東京を皮切りに,名古屋,福岡,大阪等々いろいろな劇場で上映された。
プロモーションムービーやご当地映画,フィルム・コミッションとは違う。一般的に,映画にはまず企画がある。この「みしまびとプロジェクト」(以下,「みしまびと」)の映画は,三島で撮影するということだけ決めて,一から企画をして作った映画。映画の権利は製作会社と半々で,多少なりとも収益が出るので,それを原資に次のまちづくりにつなげていこうと考えている。
この映画を作るまでに三年かかった。通常の映画はプロが全て作るが,「みしまびと」の場合,プロスタッフは本当に少数精鋭で二十名くらい。それを支えるメンバーはその十倍以上いる。例えばロケキッチン班は,食材を無料で提供してもらって,地域のおばさま方が3,000食のロケ弁を作った。「みしまびと」の特徴は,関わっている年齢層がとても幅広いこと,仕事やバックボーンが多様な方が関わっていること。コアで活動しているメンバーが200人くらい。何かあったら手伝うよと言ってくれている方,エキストラ出演して頂いた方,協賛して頂いた方,総勢で一万人くらいの方によって成り立っているプロジェクト。物やサービスを提供してもらったり,ボランティアの人件費を考えると,億を超える額のご好意によってできた映画と言える。
公務員の最大のリソースは,公務員であることそのもの。是非,公私混同して地域に飛び出しても良いんじゃないかと思う。僕がプロジェクトで何をやったかというと,お願いして,怒られて謝ってという,公務員がすごく得意な分野。そういう関わり方もできるということを伝えたい。
まず本業を大事にした方がいいと思う。それを繰り返していると,咲きたい場所に置いてもらえるようになるかもしれない。僕もこのプロジェクトを始めた時は,健康づくり課の所属だった。それが途中で「おもしろそうなプロジェクトだから,市としても支援しようと思うからお前担当しろ」と言われて,商工観光課に異動して,途中から仕事にもなった。一歩踏み出したい,そんなあなたに朗報。ぜひ自主上映会をやってください。皆さんの地域で,地域の絆を生み出して,町づくりを考えるきっかけになる映画。大体5万円くらいから上映会を開催する事ができる。その節は,「みしまびと」のほうにご連絡下さい。
●地域に飛び出す公務員アウォード2016 表彰式
アウォード受賞者には,表彰状を授与。副賞として,酒々井町名産の名酒「純米大吟醸きのえね」一升と,酒々井町マスコットキャラクター「井戸っこ しすいちゃん」のぬいぐるみを贈呈。
【日本笑顔創造大賞】
空き店舗を活用した地域活性化プロジェクト『EGAO屋』
<プレゼンター:一般財団法人地域活性化センター 椎川 理事長>
平成20年,公務員が大いに現場に出て,プラスワンで地域活動や社会貢献活動をやりましょうと提唱し,「地域に飛び出す公務員ネットワーク」を結成した。しかし,全国の仲間が横でつながっても,縦の社会ではどうしても肩身の狭い思いをする。地域と役所の体質改善をする必要があり,平成23年に,同じ思いを持つ首長さん方60人くらいでこの首長連合を創設していただいた。
平成26年に山武市で第三回首長連合サミットを開催した時に,第1回アウォードを開催した。その時は49件の応募。次の年は期間が短かったこともあって,23件。そして一年置いて,今回は39件。ウェブ上に全ての事例がアップされている。どの事例も素晴らしい。どれがアウォードとか,どれが一次審査に残ったとか,重要なのはそこではない。今回の審査結果を見ると,本当に僅差だった。39事例すべて褒められるべき。大いに地元のマスコミに宣伝して,取り上げて頂いたら良い。それによってこういう活動がますます盛んになる。第1回アウォード受賞をきっかけにして,議員や市長になった方,講演で全国を歩き回っている方など,人生が変わった方もいる。
私は平成24年に出版した『地域に飛び出す公務員ハンドブック』のなかで,「公務員十戒」というものを書いた。豊明市の事例は,まさに「現場主義」,「仕事以外にプラスワンで活動する」,「理屈より実践」。いくら補助金を出しても何も解決しないが,公務員が出てきたらみんながつながって,信頼して活動してくれる。空き店舗のシャッターを開けただけではなくて,人が集まる場づくりをした。これこそが地域活性化の一番の近道であり,本当に素晴らしい事例だと思う。
【日本棚田文化創造大賞】
名勝・重要文化的景観「おばすて(田毎の月)」の棚田の保全活動
<プレゼンター:小坂 千葉県酒々井町長>
米は八十八と書く。八十八回手をかける,米ができるまでに八十八日かかるということ。要するに,田んぼを耕して植えるだけではなくて,草取りや水管理など,立派な米にするには大変な手間がかかる。コメ作りを知らない公務員が,それを立派にやり遂げた。「コメ作りの楽しさ」「おいしいコメ作り」,そういうことを一生懸命やっていて,地域を交流の拠点にしながら活性化している,実に素晴らしい活動だと思う。
【日本創造の『わ』大賞】
「輪,笑,話,和」,4つの「わ」で地域の元気づくり
<プレゼンター:都竹 岐阜県飛騨市長>
地域に飛び出す公務員アウォードとは,仕事を離れて優れたまちづくりをしている公務員を表彰すること。どの活動もまちづくりそのものとしての質が高い。皆さんの取り組みが全国の公務員に勇気を与える。メープルタウンクラブの取り組みは,「総合まちづくり団体」と言っても良いのではないか。団体が大きくなると意思を伝えるのが大変だが,しっかりそこを成し遂げて活動を続け,さらにそれを広めていこうとしている。本当に素晴らしい活動,心からお祝いを申し上げたい。
【日本地域文化創造大賞】
ごみ拾いからはじまる地域イノベーション「宮崎ベースキャンプ」
<プレゼンター:谷畑 滋賀県湖南市長>
宮崎ベースキャンプの取り組み,どこが良かったかと言うと,誰にでもできる本当にくだらない取り組みから始めて,これだけ大きな広がりを作っていただいたという所が素晴らしかった。皆さんも取り組んでいただけたらと思う。ぜひこれからも続けていただきたい。
【日本映画文化創造大賞】
本気の映画製作を通じたまちづくり「みしまびとプロジェクト」
<プレゼンター:平井 鳥取県知事>
三島市は「映画を作ること」に賭けた。大岡信さんの言葉に,「一語一語の言葉は桜の花びらだ」というのがある。お一人お一人の存在が,一コマ一コマの映画を作り,それがまちを作っていく。映画の力や人の力を感じた。これからぜひ皆さまの地域で自主上映会をお願い申し上げたい。ともかく素晴らしい賞。これからも頑張ってほしい。
●施策調査報告
【今村(事務局 福岡県庁職員)】
調査の趣旨は,首長連合加盟自治体の地域に飛び出す公務員(以下「飛び公」)を応援する施策を取り纏め,情報を共有することで,応援する良い施策の広がりを期待。
今回の調査テーマは,「地域に飛び出す活動に関する評価や人事異動への反映」。
回答は,首長連合に加盟されている65自治体のうち60自治体。
地域に飛び出す活動を評価する仕組みがある自治体は17
地域に飛び出す活動を評価する項目がある自治体が3
評価の参考にすると答えた自治体が6
自己評価として,自身の活動を記載する項目を備えている自治体が4
仕組みがないと答えた43自治体のうち,8自治体では今後仕組みを取り入れる予定。
地域に飛び出す活動を人事異動に考慮している自治体は9
考慮していないと答えた51自治体のうち,今後考慮していく仕組みを入れたいと回答したのは8
地域に飛び出す活動を評価する仕組みや人事異動への考慮,反映に関して,特色ある取り組みはプログラムの12ページ以降に記載。
地域に飛び出す公務員を活かした取り組みは13ページ以降に記載。
●飛び公予備軍と首長の意見交換
【平井 鳥取県知事】
先輩方を見習って飛び出したいという公務員のみなさん,色々な課題に悩みながらだと思うが,そういう方々3名と首長のみなさんと意見交換を。まずは,酒々井町の岡本さん。
【岡本さん(酒々井町職員)】
地元で消防団,自治会,佐倉夏祭り等の活動に参加しているが,引き継いだ内容をそのまま行っている。
新たに地域イノベーションの創出や地域の発展を考えた時,どうしても活動時間の制約がある。
就業時間後に地域活動する時間を確保するためのフレックスタイムの導入,地域のイベント等に参加する際の休暇等があれば,更に地域活動が行い易い。
地元の為にどのような利益があるか等を検討する時間を確保する為にも,活動時間をご検討いただきたい。
【平井 鳥取県知事】
首長さんの方から質問等あれば挙手を。
【小紫 奈良県生駒市長】
時間が大変だというところは凄くよく解るが,まずは職員自ら本来の効率化,業務を取捨して上手く捻出するのが基本だと思っている。
働き方改革という話もあり,残業時間を減らす取り組みを首長としてもしっかり進めることで地域活動を応援したい。
【岡本さん(酒々井町職員)】
今の時間は確保できている。新たに発展させたいと思っているので,制度等を検討していただきたい。
【平井 鳥取県知事】
職場として休みやフレックスの体制が取りやすいように配慮することは,首長の私達の役目でもあると思う。次に,飛騨市の森下さん。
【森下さん(飛騨市職員)】
地元の青年団で,町内のイベント,地域の保育園・日曜学校の行事で運営補助,バザー,草刈り,町の文化祭で青年団OBOG・高校生等と一緒に合唱や劇などを披露,3年前からは子供達と一緒に川遊びなどの活動をしている。
青年団の課題は団員の減少。今後の目標は,この青年団を残して行く事。退団まで後2年,仲間と協力しながら,楽しみながら活動を続けたい。
【多次 兵庫県朝来市長】
1つの事を進めていく際に同じ価値観でない場合がある。時間的制約もある。自由の利く人と利かない人も出てくるので,信頼感を持った上で,お互いを慮るような気持を持って活動されると良いのではないか。無理のない所で頑張って頂きたい。
【福元 兵庫県宍粟市長】
私も村の青年団長をしていたので,青年団の活動は懐かしいという思いと,ここ近年青年団の活動云々という事を久しぶりに聞いたので非常に嬉しい。エールという意味で飛び公として活動を続けて欲しい。
【森下さん(飛騨市職員)】
本当に力強い言葉を頂き,また戻ってみんなと一緒にお互い信頼を得ながら活動を続けたいと強く思った。
【平井 鳥取県知事】
青年団活動は地方で特徴的な活動があり,東京に毎年集まるなど今でも活動が続いているが,どこも団体が減っている。地域のコミュニティ作りに大きな役割を果たしている事への共通認識が得られたと思う。最後に,嬉野市の坂本さん。
【坂本さん(嬉野市職員)】
公務員が地域に飛び出す上での障害を考えた時,余裕がない・業務に追われている・気持ちの問題という3つが思い浮かんだ。
余裕がないについて。昨年まで福祉課で生活保護のケースワーカーをしていたが,本当に心に余裕がなかった。その為プライベートの時間まで仕事をしたくない,となってしまうのではないか。
業務に追われているについて。地方自治体は多様化する住民ニーズに答える為,どんどん新しい施策を行っており,福祉関係職員が担当すべき新たな施策が増え続け,権限移譲提案まで手が回るような状況ではない。
気持ちの問題について。不安や恐れ。適材適所が自分でわからない。失敗を恐れる。公務員らしさを意識してしまう。良く言えば真面目,悪く言えば融通が利かない。
しかし,現在任されている業務を上手く関連付けられれば,飛び出せる職員がたくさんいるのではないかと思っている。
できない理由はいくらでも挙げられるが,考え方を変え,行動する。これまで地域に飛び出して行くぞという意識はなかったが,総務課に異動になったのも何かの縁と思い,自分の可能性に期待し,自分を見失わずに業務に励みたい。
言う事は簡単だが,実践する事が1番難しい。この後,実践されている方々と交流し,刺激を受け,勇気をもらって帰りたい。
【藤野 東京都武蔵村山市長】
正規の公務員が年々削減されていって,公務員が地域に飛び出す障害になっているというヒントを得た。なんとかアフターファイブを使って,地域に飛び出して欲しいと常々職員に話している。
飛び公というのは個人個人が参加していくという認識だったが,今日アウォード2016を聞いていたら,組織・団体で参加していく方向性も見えた。参考にさせていただきたい。
【岡村 愛知県大府市長】
大変共感した。できない理由を探すのではなくできる理由を探すという前向きな気持ちで,是非できる所からやっていただきたい。PTAとか子供会の役員とか消防団とか,そういうのも立派な地域貢献活動,飛び公だと思う。できる所からやっていただきたい。
【坂本さん(嬉野市職員)】
公務員だからニーズがある。市長も地域コミュニティに積極的に取り組んでいるので,嫌々やっている事が多かったが,嫌な所をなるべく見ないで無理やりでも楽しみを見つけていければいい。今後そういう気持ちで取り組めるように意識を変えたい。

●首長会議
【平井 鳥取県知事】
首長連合のサミットの会議の議題。1つは,公務員が地域に飛び出す上での障害は何か。もう1つは,公務員が地域に飛び出すために首長連合で何ができるのか。この辺に重点を置きながら議論を進めたい。
職員の皆さんもコミュニティに入っていかなければならないが,なかなか思うように時間が作れないのではないか。職場環境の問題があるのではないか。職場の雰囲気として,ある程度組織的にプロモーションしていくこともありかもしれない。トップマネジメントとして責任を持ってやるべきこともある。それぞれの自治体で何ができるか。
【山本 北海道東神楽町長】
職員の採用試験の時「地域の公務員は地域でいろいろやるのが大事だ。君はできるか?」と面接の中で聞く。「やります!」と強く言った職員を採用するが,難しい。大事なのは,僕らがそういう価値観を持っていることを常に示すこと,プライベートで地域のコミュニティの中に飛び出す活動を推奨することを言わなければいけない。
【白岩 山形県南陽市長】
飛び出すことの障害は,気持ちの問題も大きい。公務員の皆さんは,自分から手を挙げて何かやろうということを遠慮していると思う。強引に引っ張ってやっていただき,楽しさを感じることもある。2年前から表彰も始めた。頑張っていることを見ていることを示していくのも大事。
【吉岡 愛知県高浜市長】
職員は,小学校区のまちづくり協議会に3年行くことになっている。会議は仕事だが,休みやイベントは行ける人がボランティアで行くという形。その中で仲間を見つけて地域での活動に繋がることを企図しており,地域の人と一緒に取り組みを始めている子達が少しずつ出てきている。無理して頑張らなくてもいいと軽く押してあげるのが,我々にできること。上司には地域との繋がりが仕事に繋がるという理解を求めることが必要。
【岡村 愛知県大府市長】
私の選挙公約の中に,「飛び公の応援」を明確に入れた。今は職員に,郷土のまちづくりを進める上で公務員も一緒になってまちづくりをやっていただきたいというメッセージを一生懸命発している。私自身も先頭に立ち,自分でやって職員にやらせて,そして褒めることをこれから具体的に考えたい。
【福元 兵庫県宍粟市長】
職員は地域から期待をされている。限界集落をこれから守っていく中で,仕事とは別に職員が関わっていくことが活力を保つことになるのでないかと期待している。我々がどういう環境を作っていくかが意識改革に繋がると感じている。
【大友 宮城県角田市長】
仕事が中心だと意識しながら,実際に何かやりたいと思えば,犠牲になるものが必ず出てくる。何もかもできない。12つくらいに留めるようにした方が良いと思う。だから仲間が必要。1人だとできない。役割分担をする事。何かやりたい時には,誰かに何かを継承する。そうすると色んな事に関わる事ができる。
【菅家 愛媛県西予市長】
ある地域の方が言われた「地域おこしは楽しいのよ」という言葉がずっと胸の中に残っている。そこに関わっている職員は本当に楽しそうに地域福祉と地域おこしを我が事としてやっている。本当に困っている所に公務員が持っている情報をプラスできる,そういう活躍ができる公務員を育てて行きたい。
【平井 鳥取県知事】
次に首長連合で何ができるかを中心に改めてご意見を頂きたい。
【小坂 千葉県酒々井町長】
首長連合として,何かインセンティブを考えて行く必要がある。十分に人員配置ができない中で,ボランティア休暇,代休をしっかりと取れる形にして行く。助け合いという事で意識改革を進める中で,職場環境とか風土を変えて行く努力をして行く必要がある。
【多次 兵庫県朝来市長】
検証会の開催等大事だと思っている。実践事例をより広く多くの職員に知っていただくために首長連合のサミットを毎年やっていて,これは大きな成果があると思うが,地域ブロックで実践事例の発表会の機会があっても良いと考える。
【都竹 岐阜県飛騨市長】
素晴らしい事例に触れるという意味で,このアウォードは非常に価値の高い活動だと思っている。これを更に充実させ,もう少し長い時間をかけて多くの事例が聞けるようにする事に加え,ブロック単位で話をしてもらう機会があれば良いと思う。今はfacebook等でずっと繋がっていく時代なので,一回の出会いがとてつもない出会いになることがある。
【椎名 千葉県山武市長】
ブロックでこのような会を開くのはどうかというご意見。そういう意味では我々首長の仲間を増やしていく必要がある。
【岡田 千葉県栄町長】
全ての職員を各地域に張り付けている。今後は,自分で考えて自分でボランティア活動をするという形の方がいいのかという部分を考えていきたい。
【石橋 千葉県神崎町長】
まずは勇気を出して一歩飛び出していただきたい。数年前から職員の提案制度を取り上げ,報奨金を出すということで今取り組んでいる中で,徐々に職員の意識が変わってきていると思うし,町の将来を考える職員がもっと育つことを期待をしている。この首長連合がもっと組織的に大きくなり,日本が変わればいいと思う。
【仁志田 福島県伊達市長】
今の行政は現場の実態を知らないとどうしようもない。今日来ている職員は他の職員に比べるとそうした意識が高いが,来てくれた人達だけでいいのかと言うとそうじゃない。これをもっと広げて行く必要がある。現場を知ってもらうという意味で,特に県や国の方の首長連合への参加を増やしたい。
【小紫 奈良県生駒市長】
飛び出すことで,本業もしっかりするようになった人が多いはず。保守的な管理職が部下の飛び出す行動を牽制する言葉になりかねないので,管理職には「本業優先」と敢えて言う必要はないと言っている。
飛び出す側の人としては,時間がない,余裕がないのは分かるが,それはあまり理由にならない。まず飛び出す。その中で時間をなんとかやり繰りする。これが基本。
市民との関わりは,市町村の一番面白い所。市民と関わることを嫌がる管理職が多いが,市町村の職員が受け身でいるとつまらない。飛び出せばこんなに面白い仕事はないので,管理職や首長が見本として飛び出して,面白いという背中をしっかり見せていきたい。
【谷畑 滋賀県湖南市長】
みなさんの意見を実践に移すことが大事。ブロック化も非常に大事だが,首長連合の仕事は飛び公が担っており,そのマンパワーを考えながら進めていく必要がある。
飛び公の時間を,働き方改革を進めて作ることも大事。仕事が増えていく中では,仕事をやめる勇気も持たなければならない。仕事をやめるのは,首長が決断しないと職員が対応できない。時間を作るために無駄な仕事は無くしていく。それは首長の仕事。
制度的な問題として解決できない課題が日本国中に広がっている。公とプライベートの境目が見えなくなってきている中で,飛び公の活動は非常に大きな役割を持ってくる。それを応援する首長の数を増やしていきたい。
最後に,地域での活動に率先垂範の姿を見せるということが大事。首長の皆様方が地域活動を担う姿を見せていただきたい。
【平井 鳥取県知事】
ブロック化の問題は,事務局でも議論してもらいながら,今日のご意見を取り纏め,組織の在り方を考えていければと思う。
私達が今進むべき方向は役所から飛び出していくことで地域を変えること。地域が変わると日本が変わる,世界が変わることになる。
最後に,次回開催の東神楽町の山本町長から決意をいただき,首長会議を閉じたい。
【山本 北海道東神楽町長】
初めて飛び公サミットが津軽海峡を越えるので,心から歓迎を申し上げたい。町内に旭川空港があるので,東京からは2時間もかからずに来られる。役場から空港まで5分。根性出せば歩いて来れる。寒い時期かもしれないが,東神楽町にお越しいただければと思う。心からお待ちしている。

(END)

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